「はしか」は去年の春に各大学で流行り、休講などいろいろな問題を起こしましたが、最近では横浜の中学で流行るなど、今年も予断を許さない状況です。
今春は各大学でも、合格通知に「はしか」に関する注意書を添付するなど対策は採っているようですが、人手や予算の苦しい大学では十分な「はしか」対策が取れていないようです。
東大など一部の大学では、「はしかワクチン」の無料接種を実施して在校生は無料で「はしかの予防接種」を受ける事が出来るのですが、一人当たりの費用は6千円程度かかるそうで、余裕のある大学はどうにか無料化を出来るのですが、そうでない場合は学生に負担を強制するわけにも行かずなんとも困っているようです。
本来なら国や自治体単位で行ってくれるとありがたいのですが、そうも行かないようです。
国立大学を例に取ると「はしかワクチン」の無料接種など具体的な策に乗り出しているところは6割で、4割は注意を呼びかけるにとどまるなど後手に回っています。
「はしか」にかかる人がこの年代で多いのは「はしか」のワクチンの効果は、予防接種後に「はしか」のウイルスに接する機会がないと免疫がなくなっていくためと思われています。
ですから、小さいときに「はしか」の予防接種を受けていてもその後、免疫がなくなっている人がいるということです。このことを受けて2006年から、従来の1歳時に加えて6歳でも2回目の「はしか」の予防接種を受ける事としました。
そして、この変更にもれた10代は、中1・高3で2回目の接種を受ける事としています。
問題はこれにももれる18歳から20歳代でこの辺の人たちが「はしか」にかかりやすいといえるのです。
大学生はもう大人なのだから「はしか対策」は自己責任でというのが言い分らしいですが、大学の新入生は「はしか」の免疫がない人が多いのはわかっているのだから、国も何とかしてほしいというのが大学側の言い分です。
「はしかワクチン」の接種は任意なので、自分が「はしか」にかかっても、自分が「はしか」の感染源になっても迷惑になるという自覚を持たせるため、国もそういう呼びかけを積極的に行ってほしいという声も聞かれます。
6歳児の「はしか予防接種」の接種率もあまり高いとは言えず、中高生の接種率も受験などを控えて入れば、高くはなりそうもないと言います。インフルエンザなどは接種の時期やかかれば試験中など直接関わるので接種率は高いと言いますが・・・。
「はしか」の感染率はインフルエンザの6倍とも言われ、恐ろしい事に免疫力のない15歳以上の人が「はしか」にかかれば7割から8割は入院が必要なほど重症化すると言います。
後遺症の危険もあり、脳炎を起こし死亡する場合もあるのです。現在有効な治療法はなく唯一の手立てが予防接種です。はしかの予防接種の副反応もほとんどないと言いますから、受けた方が良いといえそうです。
実は日本は、「はしか輸出国」といわれていて、国際問題にも発展した事があります。
「はしか」を防ぐには、国や機関、個人が一体となり予防に取り組む必要があると思います。